この記事の結論
- 「そろそろかも」は、体の衰えより先に暮らしの小さな乱れに表れやすい
- 下のチェックで3つ以上当てはまったら、施設を決める前に地域包括支援センターへ相談するタイミング
- 迷っている段階の相談は無料。早く動くほど、親が選べる道は広くなる
久しぶりに実家に帰ったら、冷蔵庫に同じ豆腐が3つ入っていた。郵便受けにチラシがあふれていた。電話では「元気よ」と言っていたのに——。
親の変化に気づいたとき、多くの人が最初に感じるのは「施設を考えるべき? それとも気のせい?」という迷いです。結論から言うと、いきなり施設かどうかを決める必要はありません。まずは今の状態を落ち着いて確かめるところから始めましょう。
帰省したときに見てほしい15のサイン
暮らしのサイン
- 冷蔵庫に同じ食材が重なっている、賞味期限切れが増えた
- 郵便物や請求書が開けられないまま溜まっている
- 掃除や片付けが、以前より明らかに行き届いていない
- 同じ服を続けて着ている、季節に合わない服装をしている
- 料理をしなくなり、総菜やパンばかりになった
体のサイン
- 家具や壁につかまりながら歩いている
- この1年で転んだ、またはつまずくことが増えた
- 見た目でわかるほど痩せた
- お風呂に入る回数が減っている(浴室が乾いたまま)
- 薬が余っている、飲み忘れや飲み過ぎがある
気持ちとつながりのサイン
- 同じ話を何度もする、約束を忘れる
- 電話に出ない、折り返しが減った
- 趣味や外出、ご近所づきあいをやめてしまった
- 同じ物を何度も買う、覚えのない契約がある
- 「疲れた」「もういい」など、元気のない言葉が増えた
いくつ当てはまった? 次の一歩の目安
| 当てはまった数 | いまの段階と、次の一歩 |
|---|---|
| 0〜2個 | 様子見でOK。電話の曜日を決める、帰省のたびにこのチェックを見返す、など「気づける仕組み」を作っておきましょう。 |
| 3〜5個 | 相談どき。親が住む地域の地域包括支援センターに「最近こんな様子で心配」と伝えてみましょう。家族だけでの相談もできます。 |
| 6個以上、または転倒・物忘れがある | 介護サービスを使い始める段階かもしれません。要介護認定の申請を考えましょう。在宅サービスで暮らしを支えられることも多くあります。 |
※この目安は、家族が次の行動を決めるためのものです。医学的な診断ではありません。
「施設か、デイサービスか」は、まだ決めなくていい
施設に入るか、自宅でデイサービスやヘルパーを使うかは、親の体の状態(要介護度)と、家族がどこまで支えられるかで決まります。そのどちらも、家族の目だけでは正確にはわかりません。
だからこそ、最初にやるべきなのは選ぶことではなく、専門家に今の状態を一緒に見てもらうことです。その入口が、市区町村に設置されている「地域包括支援センター」です。相談は無料で、本人ではなく家族からの電話でも受け付けてくれます。
次に読む親の介護、最初にすることは3つだけ|地域包括支援センターと要介護認定気づいたら、まずやること
- 親に「最近、困っていることある?」と聞く。「危ないからやめて」と責めると心を閉ざしがちです。困りごとを一緒に探す姿勢で。
- 親が住む地域の地域包括支援センターを調べて電話する。「◯◯市 地域包括支援センター」で検索すると、住所ごとの担当センターが見つかります。
- きょうだいや家族に共有する。一人で抱えると判断が遅れます。気づいたことを写真やメモで残しておくと伝わりやすくなります。
離れて暮らしている場合の「見守り」の工夫
- 電話をかける曜日と時間を決めて、出なかったときの連絡先を決めておく
- 配食サービスや見守り機器など、毎日の安否確認を兼ねたサービスを検討する
- 近所の人や民生委員に、連絡先を伝えておく
- 帰省のタイミングでかかりつけ医の受診に付き添い、気になることを伝える
よくある質問
親が「大丈夫」と言い張って、話を聞いてくれません
とてもよくあることです。「心配だから」ではなく「自分が安心したいから、一度だけ相談に付き合ってほしい」とお願いする形にすると受け入れてもらいやすくなります。地域包括支援センターの職員が自宅を訪ねて話を聞いてくれることもあります。
物忘れが増えました。認知症でしょうか?
家族が判断するのは難しいため、かかりつけ医や「もの忘れ外来」で相談するのが確実です。どこに行けばいいか迷ったら、地域包括支援センターでも受診先を相談できます。
地域包括支援センターは、遠くに住む子どもでも相談できますか?
できます。相談先は「親が住んでいる地域」のセンターです。子どもが遠方に住んでいても、電話で状況を伝えて相談できます。
本記事は公的機関の情報などをもとにした一般的な情報です。医学的な判断や個別の制度の適用は、お住まいの地域包括支援センター・医師・ケアマネジャーにご確認ください。制度の内容は改正されることがあります。
